有酸素運動編

自施設ではCPX(心肺運動負荷試験)の処方に基づいて負荷を設定しています。その他にも心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドラインより、運動処方の原則として頻度・強度・時間・種類・運動量・漸増(FITT-VP)を活用し、患者さんに合わせて取り組んでいます。すべての患者さんが一律の運動内容を実施するのではなく、個々の心疾患重症度や運動能力に応じたプログラムを設定することが重要と考えます。

最初は有酸素運動についてですが、有酸素運動とは大筋群を用いる持続的な運動を指し、心臓リハビリテーションにおける運動療法の一つです。ラジオ体操のように筋肉の収縮と弛緩を繰り返し、リズミカルな身体の動きを伴う運動は筋肉のポンプ作用によって、心臓へ戻る血液が促進されます。「ややきつい」「じんわり汗ばむ」程度で行うと心臓に対する負担がなく、安全性と有効性を兼ね備えた強度になります。

 

有酸素運動の効果

有酸素運動の効果は運動耐容能改善や冠危険因子の是正など効果は多岐にわたり、これらを介して心疾患の再発予防や予後改善にもつながります。運動不足で体力がない人は、普段の歩行や階段の上り下りなど、日常生活動作でも疲れを感じやすくなります。取り組みやすい有酸素運動の代表的な種目は「ウォーキング」ですが、その他に、「段差昇降」は有酸素運動に加え、比較的大きな筋肉を鍛える運動でもありますので、既にウォーキングの習慣がある方や、室内で運動を行いたい方は「段差昇降」をお勧めします。

 

有酸素運動を行うときのポイント

実際に有酸素運動を行うときは、安全に運動を施行するために運動前にメディカルチェックを行い、自覚症状など普段と大きな変化がないか確認をしてから行うことが大切です。また、ウォームアップ(血液循環促進や関節可動域を広げるなど準備段階)・持久運動・クールダウン(安静へ移行させる段階で血圧低下や不整脈を予防)の流れで行うことがポイントになります。

 

マシンの活用方法

そして、更にパワープレートを使って行うとバランスのトレーニングにもなり、足底部が刺激され身体のバランスをとったり、急な体位の変換にも対応できるようになっていきます。さらに腕を振りながらなど全身をしっかり動かすことで自律神経系に対しても好影響を与え、血圧や脈拍の安定、ストレス軽減効果や情緒の安定に繋がり、心臓疾患へも好影響であることなどが期待できます。

 

【有酸素運動による効果】

1運動耐容能改善    4換気効率の改善

2狭心症発作の軽減   5自律神経機能の改善

3心不全症状の改善   6冠危険因子の是正 など

 

出来ればリズムよく、腕を振って行ってみましょう!!

寄稿者:八王子みなみ野心臓リハビリテーションクリニック

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