今回は怪我の予防に必要なポイントをお話していきます。
人の体には、視覚や聴覚などいわゆる5感と言われるものの他、冷たさや暑さを感じる表在感覚、関節の角度や筋肉の伸長を感じる深部感覚があり、それらの感覚システムからインプットがあって、脳で統合的に処理され、動作というアウトプットがなされます。
特に手や足の毛のない部分には、物理的な刺激によって反応する機械受容器が豊富にあり、繊細な動きができるようになっています。
こと足部においては、振動に反応する機械受容器が豊富に存在し、歩行時の着地の衝撃に対して受容器が刺激され、体が適切に反応できるようになっています。
歩行において体に起こる運動連鎖としては、
荷重がかかる脛骨(けいこつ)より踵骨(しょうこつ)の位置が外側にあることによって、踵骨が内側に倒れ、足部の回内(土踏まずが潰れるような動き)が起こります。
そして、土踏まずが潰れることによって、その上にある脛骨(けいこつ)、大腿骨(だいたいこつ)が内側に捻れて、大臀筋というお尻の筋肉のエキセントリック収縮(筋肉が引き延ばされながら収縮する)という運動連鎖が起こるのです。
しかしながら、デスクワークやテレワークによって、体を動かす機会が減ってしまっている昨今、この足部の機械受容器に刺激が入らず、受容器の機能が低下してしまうことがあります。そうすると、足部から適切なインプットがなされないことによって、上記着地に伴う運動連鎖に適切に反応することができず、過度な膝への捻れるストレスが生じ、怪我に繋がってしまう恐れがあります。
そういった怪我を未然に防ぐ上で、振動を取り入れた運動はとても効果的です。当施設ではパワープレートというマシンを取り入れており、このマシンの上で立位のトレーニングを行うことで、振動が足部の機械受容器の反応を高め、歩行やランニング、ジャンプなどの際の怪我の予防に貢献してくれます。
是非ご活用ください!
寄稿者:R-body