基礎代謝量 の本質をみてみよう。

 

減量 という側面のみを考えれば、基礎代謝量の増大は

エネルギーバランスを負に傾けるという利点から好まれるだろう。

しかし、生命全体から考えると、基礎代謝量の増大(高い)=良いとは単純に言えない。

これは、年代(幼児、青年、高齢者など)によっても捉え方が変わってくるはずである。

 

健康長寿のためには24時間の生活リズムを理想形に整えることが推奨されているが、

その一つに有酸素性運動やレジスタンス運動(筋トレなど)と休養(睡眠)が含まれる。

 

運動(実践)後には、副交感神経活動が優位な状態(≒心拍数、血圧、呼吸数の減少)へ傾く。

また、運動の習慣化によって睡眠の質が良好に保たれ、

翌日の覚醒時における身体活動の量や質を高める。

 

 

これらは約8時間の睡眠の直後のエネルギー消費量(いわゆる基礎代謝量)が

低めに維持されることを意味するもので、従前よりも高まることにはならない。

 

仮に高まれば睡眠中にも心臓や脳の活動が活発に働いていることとなり、

心拍数や血圧の鎮静化が起きず、生体にとって危険である。

 

そのような単純なロジックを誤解している方も少なくなく、

このテーマを取り上げることにした。

 

次回は、減量に伴う基礎代謝量の変化、

次々回は、動物で最も寿命の長いウミガメの基礎代謝量について考えることとする。