基礎代謝量は体組成計で測定することができ、
また、簡易的に年齢と体表面積(または身長と体重)からも求められる。
肥満者が10 kg減量した場合、減量の手段が筋トレであれ食事改善であれ
基礎代謝量は必ず低下する。但し、筋トレで骨格筋量を減らさずに、あるいは1~2㎏ほど増やし
有酸素運動で体脂肪を大幅に減らした場合、
食習慣改善のみによる減量法と比べて基礎代謝量の低下は小さいだろう。
実際には体水分量も減少するが、仮に骨格筋量が2㎏増えて、体脂肪量が8㎏減ったとしよう。
その場合、骨格筋1㎏のエネルギーは13 kcalなので、代謝量は26 kcalの増加に転じるが、
脂肪1 kgのエネルギーが4.5 kcalなので、代謝量は36 kcalの低下となり、
両者を合わせると単純計算で10 kcalの低下となる。
運動によって減量した場合、基礎代謝測定時の心拍数や血圧は減量前よりも下がるので、
実際の基礎代謝量はさらに下がると考えられる。
運動+食事改善によって減量した場合、血液検査値の改善は最大となる一方で
基礎代謝量は最も下がるだろう。
これは生体の合目的的反応であり、 生体内で異常反応が起きていると見なすべきである。
一般的に、肥満者が減量すると骨格筋量が2kg、体脂肪量が6kg減量するため
基礎代謝量は53 kcal (3~5%程度)の低下となる。
骨格筋量は体重の約35%なので、8㎏の減量で骨格筋量が8×0.35=2.8 kg減れば骨格筋率は不変となるが、
もし2 kgの減少に留まれば骨格筋率は減量によって高まると言える。
これも見落とされやすいポイントのひとつである。