カレン・ジョセフさんは、数年前に神経障害の最初の症状が出たとき、自分の身体に何が起きているのか分かりませんでした。
足の痛みやしびれは、交通事故で負った脊髄損傷のせいだと思い込んでいました。
ところが、2014年に神経障害と診断されたのです。そのときカレンさんは、神経障害がいかに身体を衰弱させるかということを思い知りました。彼女は、筋力トレーニングのメニューを変更せざるを得ませんでした。
「このままでは身体障害者になってしまう。運動しないといけない、と思いました」と現在65歳になるカレンさんは言います。彼女はスピードと敏捷性を失い、転倒の恐れもありました。ランニングをすると足が固くなり、パワーウォーキングでは心拍数は十分に上がりませんでした。
カレンさんは元陸軍将校で、ボディービルの元チャンピオンでもあり、長年パーソナルトレーナーとして活躍してきました。神経障害を発症後、自身のコンディションをベストに保つための新しい方法を見つけなければなりませんでした。彼女のクライアントのほとんどは50歳以上で、中には神経障害(神経の損傷による脱力感やしびれ)を抱えている人もいます。
「規模を少し縮小しましたが、パーソナルトレーナーは今も続けています」とカレンさんは言います。また、バーチャルリアリティーを利用した新しいハイテクツールにも助けられているそうです。
神経障害とは?
アメリカの医療財団Foundation for Peripheral Neuropathyによると、約3,000万人のアメリカ人が<末梢神経障害>を患っています。患者数は男性が若干多く、高齢者の方がリスクが高いとされています。
神経障害は、神経系の損傷による障害を指します。特に足や手にしびれや痛みが生じることがあります。
その原因は、糖尿病、外傷、炎症性感染症、タンパク質の異常化、栄養不良、有害化学物質への暴露など多岐にわたります。
アメリカの大手総合病院メイヨークリニックは、「末梢神経障害を予防する最善の方法は、糖尿病、アルコール依存症、関節リウマチなど、患者をリスクにさらす病気を適切に管理することである」としています。
運動習慣ときちんとした食生活も予防に役立ちます。神経障害と診断されても、運動によって痛みを軽減し、症状と闘うことができます。
足や手にしびれやピリピリ感がある、触覚が過敏になった、コーディネーション能力が衰えて転びやすくなった、筋力が低下した、などの症状がある場合は、医師の診断を受けてください。
運動による健康がもたらしたもの
カレンさんにとって、運動はずっと生活の一部であり、年齢や体調を理由にやめることは考えられません。
ウェイトを使ったエクササイズに加えて、カレンさんはMyzoneアプリをつかったPower Plate Moveでの心拍ゾーントレーニングが、素晴らしいカーディオトレーニングであることを知りました。
「心拍数を160~170に上げて、30分運動を続けます」と彼女は言います。参加者はインストラクターのリードに従うだけ。ノリのいい音楽に合わせてエクササイズを行う時もあります。こうしたエクササイズは、認知面のトレーニングにも役立ちます。
「運動後は汗でびしょびしょになります。心拍数も上がります。これはまさに“運動”です」とカレンさん。「自分が自分らしくいられて、身体がちゃんと機能していると感じられます。心から楽しんでいますよ」。
◎運動はあらゆる慢性疾患に有効です。希望はあるのです! 私たちがお手伝いします。
【申し送り】
・パワーウォーキング
普段よりも早足かつ大股で身体全体を使って歩く有酸素運動。ドイツ人の元競歩選手ハートヴィッヒ・ガウダー氏によって考案された歩き方
https://www.php.co.jp/magazine/hontou/201210_health.pdf
・メイヨークリニック
米国を代表する医療機関
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/column/00020/051500001/
・コーディネーション能力
https://www.meiji.co.jp/sports/savas/savasjunior/training/reflexes.html